明日チャンスがきたら、それをものにできるか?

リーダーシップとは何か。

さまざまなビジネス書を読むと、リーダーシップ論にはある共通項があることに気がつきます。

・管理ではなく、勇気付けること

・論理的思考に基づくtobeが明確

・実行者にとって、一番の支援者である存在

目指すべき目標への指針である存在であり続け、そのためにチームやメンバーが良いパフォーマンスを出し続けることができる環境を作ること、このあたりが肝なのかと思います。

そしてこれは、どんな業界でどんな仕事をしている人にとっても関わりのあるテーマかと。起業家やサラリーマンの課長や部長だけではなく、役職のないメンバークラスでもセルフマネジメントにおいてやっぱり必要。

それはもちろんビジネスに閉じた話ではありません。これまで僕はどちらかというと”ビジネスの成功者”の本を読むことが多かったのですが、今回福岡市長の本を読んで、改めて「成功するリーダーは業界や立場を問わず同じ事を言っている」と確信しました。

福岡市を経営する

福岡市を経営する

 

むしろ、政治家ほど、一人のリーダーのリーダーシップが影響を与える仕事も少ないかもしれません。ビジネスは関与すべき、もしくは関与したいテーマを選べますが、政治は選べません。市長となるとその「取り組まなければならない問題」の量と質がビジネスとはまるで違います。

では具体的には、ビジネス界で働くことと政治家として働くことはどんな風に異なるのでしょうか?

政治家がリーダーシップを発揮することの難しさ

ビジネスと比較したときに、構造上難しい、もしくは難しさに拍車がかかっている部分があります。本書から何点か抜粋してみましょう。

実行しない方が良い評価を受けることが多いのが実態

何かの施策を実行したときに、賛同を得られることが100%なんてものはありえない(かならず損をする人がいる)以上、新しいことに取り組むのは批判がつきもの。その上、その批判はマスコミなどにより過剰に演出されるので、想像以上に難しい。

政治家がリスクを負わず、安定した行政経営をしているようにみせる方法がひとつだけあります。それは「何もしない」ことです。

既得権者が強い、強すぎる

ビジネスでもこういう政治家みたいな動きをする人がいますが、まさにそれを仕事としている人がいるわけですから強敵です。

既得権者は、組合を作って発言力を高めたり、選挙運動に協力して議員をしえんしたりすることで行政組織に圧力をかけ、制度や規制が変えられないように取り組みます。

いろいろ頑張っても選挙で落とされるかもという恐怖

ビジネスでも最近は360度評価というものが取り入れられてますが、とはいえやっぱり上司の評価をとっておけばOKというのが現実だと思います。さらに、360度評価といっても社内の評価に限定されるものなので、あえて政治家の状況を例えるならばビジネスマンにとっての、上司、同僚、部下、そしてお客さん(toBなら法人担当者、toCならユーザ)からの評価を常に意識しなければならないということですね。

選挙への不安から、地元の祭りや運動会、地域の寄り合いにとりあえず顔おを出しておくということが優先され、ほとんどの時間を「政治活動」ではなく「選挙運動」に忙殺される、という話を学生時代にある雑誌の記事で読んだのです。

 

※ちなみにビジネスマンが上司の評価を得るべきという当たり前の話を心理学的なアプローチから分析している本の書評ブログはこちらです

www.dokuryou.com

 

まとめてみても、ビジネスと比べて「より条件はきつそう」という印象です。これに対して、高島市長はさらに「若い」「マネジメントは初」という36歳の段階で市長のキャリアをスタートさせているわけですから並大抵の難しさではなかったと思います。

こういった並大抵の状況ではないからこそ、変えられない部分と変えられる部分を論理的に捉えた上でしっかり独自の考えを習得できたのかもしれません。若さゆえのがむしゃらな精神論ではなく、政治というものを構造的に捉え、レバレッジをきかせる形で施策を実行している印象を持ちました。

こういった思考の苦労が見える方からは本当に学べるものが多いと感じます。

リーダーシップ論における政治からの学び

そこで、ここでは実際のビジネスでも使える学びをまとめてみます。

※本書ではリーダーシップのみならず、福岡市の成長が国政にどう影響を与えるか、また世界の中での福岡市の位置づけ、など多角的な視点で書かれてますので、気づきはこれに収まりませんが、それは書き出すと僕の能力ではまとめきれませんので視点をしぼってます。

部分最適よりも全体最適

政治においては、100人が100人賛同するということはもちろんないですし、僕たち市民は「低予算で大きなリターンを求める」わがままな思考の持ち主ですからそいった市民の思いをすべて組むのは無理です。なので、トータルのインパクトがどうなっているのかを強く意識するということ。

「全体をよくする」という大義が私の行動の支えでしたし、常にこの大義を高く心の中に掲げることで、さまざまな意見にいたずらに振り回されず、精神の安定が保たれたと思っています 

批判よりも提案、思想から行動へ

課題の発見、課題の優先付け、打ち手の立案、打ち手の実行まで、実行するまでは案外とやることが多いのですが、この課題の発見や優先付けの段階で揚げ足をとったり、中途半端な思考の産物をアウトプットしているだけではなく、全プロセスを真剣に考えて、実行までやれよっていうことですね。

提案した人が自分で動く。他者への「べき論」より自分の行動で見せる。リスクをとって行動する人が尊敬される社会にする必要があります。

リーダーが全部できなくてもいい

ビジネスでもマーケティングや営業、経理や人事など専門分野は分かれますが、政治でいうとその分岐が途方もなくあります。なので、当然全て把握して全て意思決定するのは実現不可能な話。ただ、それでわからないからやらない、とかわからないから任せる、という話ではなく、自分の得意なことと掛け合わせてそれをうまく機能させることが重要であるということ。

高島市長の場合、アナウンサー時代に培った情報を集約し発信するスキルというのが多分に役立っているようです。どんなスキルも生かすも殺すもその後のキャリア次第ですね。

 私自身がその分野のトップランナーになるのではなく「トップランナーの目に何が写っているのか」を共有させてもらえればいいのです。(中略)それをシンプルに伝えるために、短時間で話のエッセンスを掴み取るのは得意です。 

とにかくトライ&エラー

やっぱり最終的には失敗を恐れずに実行できるかどうか。何度も言われ尽くされているものでありますが、本当にできている人はめっちゃかっこいいです。僕も常に矢面にたって挑戦し、失敗できる人間であり続けたいと思います。

実施する前からリスクばかりを気にしてしまい、少し大げさですが「よいことが1000あっても、悪いことが一つでも想定されるだけで始められない」という空気なのです。ですから、ロールモデルとして実際にやってみせるのがいちばん手っ取り早いのです。

 

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このように振り返ってみても、本書はビジネスマンでも読むべき良書です。むしろ他の環境を見ることで自分の環境を客観視できるので、同じ業界や一般のビジネス書よりも学びが多いかもしれません。

 

明日チャンスがきたら、それをものにできるか?

以上、政治家である高島市長の著書からのリーダーシップの学びをまとめてみました。

強引に要点をまとめてみると、タイトルの通り下記2つに集約されるのかと。

・論理的思考に基づく、適切な目標設定

・それを達成するために挑戦・実行し続けること

そして、上記を得るには徹底した心構えと訓練が必要です。そのためには何よりもまずはその環境を手に入れることが前提となります。そのために、大事なのは下記の観点。

チャンスはいつやってくるのかわかりません。それでも。いつそのときが来てもいいように緊張感をもって準備をしておくことが大切です。

 早いうちから成功している方はみんな同じこといっているような気がします。

高島市長は学生時代からいつか政治家になりたいと思い準備をし続け、実際にそのチャンスが来た次の日にその道を選ぶ意思決定をしています。

これが凡人と成功者を分ける分厚い壁として存在しています。

 

そして早く機会を得るということ自体が、その先のキャリアに圧倒的な成長をもたらし、その先でも成功する可能性があがるのだと思います。だから僕たちは急いだ方が得なんだと。急ぐためには、せっかく得たチャンスを棒にふることがあってはなりません。

常に自分は何をやりたいのか、どうしたいのか、と考えながらその環境がいつ訪れても、二つ返事で「やります!」と言えるように準備をしておくことができるか。今一度自分に問うてみたいと思います。

 

本日も、最後まで目を通していただきましてありがとうございました!